ここでは、今年5月に発表された資料(※)から、社会福祉施設における労働災害の発生状況をみていきます。
資料から、社会福祉施設における労働災害(新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いた労働災害)による休業4日以上の死傷者数(以下、死傷者数)をまとめると、表1のとおりです。
2022年の死傷者数は12,780人で、2021年から0.1%減少しました。死傷年千人率は2.846で、死傷者数と同様に減少しました。ただし2020年以前と比較すると、高い水準が続いています。
2022年の主な事故の型別死傷者数をみると、動作の反動・無理な動作(腰痛等)が4,475人で最も多くなりました。次いで転倒が4,379人となっています。動作の反動・無理な動作は2021年から減少しましたが、転倒は3年連続の増加です。その他、墜落・転落は増加が続いており、交通事故(道路)と激突は2021年から減少しました。
2022年の死傷者数を月別にまとめると、表2のとおりです。
2月と12月以外は1,000人を超えています。年間の死傷者数に占める割合では、1月が9.7%で最も高くなりました。なお、2021年も1月の割合が最も高くなっていることから、1月は1年の中で死傷者が多くなる傾向があるのかもしれません。
近年の社会福祉施設における労働災害は、高い水準で発生しています。自施設の傾向を把握し、労働災害を減らしていくための取組が今後も求められます。
(※)厚生労働省「令和4年労働災害発生状況の分析等」
2023年5月23日発表の「令和4年の労働災害発生状況を公表」で参考資料として公開された、2022年(令和4年)の労働災害発生状況を取りまとめた資料です。
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