職員への教育訓練の実施は、施設の成長に不可欠な要素です。ここでは今年5月に発表された調査結果(※)から、福祉施設等(以下、医療,福祉)におけるOFF-JTの実施状況をみていきます。
上記調査結果から、医療,福祉の事業所におけるOFF-JTの実施状況をまとめると、表1のとおりです。
医療,福祉では、正社員と正社員以外の両方にOFF-JTを実施した割合が68.2%となっています。全体の結果である総数は35.1%ですから、30ポイント以上高い割合です。
一方、OFF-JTを実施していない割合は、医療,福祉が13.0%で総数より10ポイントほど低い状況です。
医療,福祉の事業所が実施したOFF-JTの内容をまとめると、表2のとおりです。
医療,福祉では、新規採用者など初任層を対象とする研修の実施割合が62.6%で最も高くなりました。次いで、コミュニケーション能力、新たに中堅社員となった者を対象とする研修、技能の習得、キャリア形成に関する研修が40%以上になっています。
総数と比較すると、医療,福祉では、キャリア形成に関する研修やコミュニケーション能力、技能の習得の実施割合が高い状況です。半面、品質管理や新規採用者など初任層を対象とする研修、ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識、マネジメント(管理・監督能力を高める内容など)の実施割合が10ポイント以上低くなっています。
福祉介護の現場に対して、職員の負担軽減に向けた様々な政策が進められています。今後はそうした政策に関する研修なども増えてくるかもしれません。
(※)厚生労働省「令和元年度能力開発基本調査」
常用労働者30人以上を雇用している企業・事業所および調査対象事業所に属している労働者を対象にした、2019年(令和元年)10月1日時点の状況についての調査です。
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