令和3年度の業務上疾病、脳・心臓疾患は減少、精神障害は増加
厚生労働省より「令和3年度 過労死等の労災補償状況」が公表されました。
この報告は、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況を、労災請求件数や労災保険給付の支給決定件数のデータをもとに把握する、年1回の報告です。
令和3年度は以下のように、脳・心臓疾患に関する事案が減少した一方で、精神障害に関する事案は増加しました。
脳・心臓疾患に関する事案
- 請求件数は753件で、前年度比31件の減少
- 支給決定件数は172件で、前年度比22件の減少
精神障害に関する事案
- 請求件数は2,346件で、前年度比295件の増加
- 支給決定件数は629件で、前年度比21件の増加
業界別に見ると、医療・福祉は、特に精神障害の件数で毎回上位に登場しています。令和3年度においても、業種別(大分類)の請求件数で「医療、福祉」が第1位、業種別(中分類)では「社会保険・社会福祉・介護事業」が第1位、「医療業」が第2位となりました。
業種別(大分類)の請求件数
- 1位 「医療,福祉」577件
- 2位 「製造業」352件
- 3位 「卸売業,小売業」304件
中分類については、下表の通りです。
表の出典:厚生労働省「令和3年度「過労死等の労災補償状況」」p.17
また、職種(中分類)の精神障害の請求件数は下表の通りで、第3位に「介護サービス職業従事者」、第4位に「保健師、助産師、看護師」、第6位に「社会福祉専門職業従事者」が入りました。
表の出典:厚生労働省「令和3年度「過労死等の労災補償状況」」p.20
今回の報告でも、医療・介護では、強いストレスを感じながら仕事をしている方が他業種と比較しても多いことが分かります。データの詳細は、以下のサイトでご覧ください。
参考:
厚生労働省「令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」
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