人事労務Q&A ~残業代の計算における単価に関する注意点~

文書作成日:2026/06/30
人事労務Q&A ~残業代の計算における単価に関する注意点~

今回は、皆勤手当導入を検討している医院からの、皆勤手当を残業代に含めるかどうかについてのご相談です。

Q
今月の相談内容

 当院では、遅刻や欠勤をする職員が増えていることから、皆勤手当の支給を考えています。この皆勤手当を残業代の計算に含める必要はありますか?
 また改めて、残業代の計算における賃金に含めるもの・含めないものを確認しておきたいと思っています。

A-1
ワンポイントアドバイス

 残業代にあたる割増賃金は、所定労働時間に対して支払われる1時間あたりの賃金を基に算出します。その際、皆勤手当は、算出する賃金に含める必要があります。
 なお、法律で定められている一定の賃金は除外できます。

A-2
詳細解説
1.割増賃金の計算方法

 労働基準法では、法定労働時間を超えた労働に対して、割増賃金を支払うことを義務付けています。

 その割増賃金額の計算方法は、以下のとおりです。

割増賃金額

=1時間あたりの賃金 × 時間外労働・休日労働・深夜労働の時間数 × 割増賃金率

 月給で支払われる賃金については、毎月支払われる賃金を1ヶ月の平均所定労働時間数で除して、1時間あたりの賃金を算出します。

2.1時間あたりの賃金の算出

 1時間あたりの賃金の算出では、基本給のみでなく、各種手当も含みます。ただし、次の①~⑦に限って、算出する賃金から除外できます。

  1. ① 家族手当(扶養家族の有無・人数に応じて算定するもの)
  2. ② 通勤手当(通勤の距離・実費に応じて算定するもの)
  3. ③ 別居手当
  4. ④ 子女教育手当
  5. ⑤ 住宅手当(家賃、持ち家のローン月額・管理費用など、住宅に要する費用に応じて算定するもの)
  6. ⑥ 臨時に支払われた賃金
  7. ⑦ 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

 除外できる手当は、名称にかかわらず、実質に照らして判断されます。質問にある皆勤手当は、①~⑦のいずれにも該当しないことから、算出する賃金に含める必要があります。

 一般的に皆勤手当は、欠勤や遅刻・早退の有無によって支給の有無や支給額が変動する仕組みとします。そのため、皆勤手当の支給の状況に従い、月ごとに1時間あたりの賃金が変動することもあります。

 なお、診療報酬には、医療機関などに勤務する職員の処遇改善を目的とした「ベースアップ評価料」などの仕組みがありますが、これに基づいて「ベースアップ手当」などの形で毎月支払われる手当も、除外できる手当には含まれていません。

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