今回は、職員が業務中に負傷した場合の医院としての適切な対応についてのご相談です。
職員が業務中に患者を支えて上体を起こそうとしたところ、足首をひねり、動けなくなりました。早退してもらい、病院へ行くよう指示したところです。
このような場合、医院はどのような対応を取ればよいでしょうか。
今回のように、職員が業務中に負傷した場合は、業務災害に該当し、労災保険から給付を受けることができます。
労災保険が利用できる指定の医療機関等(以下、労災指定医療機関)を受診するよう指示し、その上で、労働基準監督署等へ必要な手続きを行います。
職員が業務中に負傷した場合、まずは、職員の状況確認と治療を最優先に行うことが求められます。
かかりつけの病院を受診することも可能ですが、業務災害に対する治療費は、労災保険から直接、労災指定医療機関に支払われるため、労災指定医療機関を受診することで、その後の処理がスムーズに進みます。
労災指定医療機関の窓口では、労災であることを申し出て「療養(補償)給付たる療養の給付請求書(様式第5号)」を提出します。
労災指定医療機関以外を受診する場合は、一旦、職員が治療費を全額負担し、後日、労働基準監督署へ「療養(補償)給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」を提出することで、負担した治療費の全額が職員に払い戻されます。
なお、業務災害や通勤途中での災害による治療には、健康保険を利用できないため、窓口でマイナ保険証や資格確認書を提出しないよう職員にあらかじめ伝えておきましょう。
業務災害により4日以上の休業が必要な場合は、労働基準監督署へ「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」を提出することで、労災保険から職員に対し休業補償給付が支払われます。
この際、休業開始から3日間については、医院が職員に対し、平均賃金の6割にあたる休業補償を行う必要があります。
また、業務災害で職員が休業したときは、労働基準監督署へ「労働者死傷病報告」を提出することも必要です。
この「労働者死傷病報告」の提出については、死亡・休業4日以上の場合には災害発生後遅滞なく、休業1日以上4日未満の場合には四半期ごとに、電子申請での提出が義務化されています。
業務災害が発生した場合、突然の事態にどのように対応すればよいか、戸惑うこともあります。
日頃から職員に対して報告体制を周知するほか、業務災害が発生した際にすぐに対応できるように、医院の近隣の労災指定医療機関をあらかじめ把握しておくとよいでしょう。
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