今回は、職員が退職する際の計画年休の取扱いに関するご相談です。
当院では、毎年度、8月、12月、1月にそれぞれ1日を指定して、年次有給休暇(以下、年休)の計画的付与(以下、計画年休)をしています。
今回、5月末に退職する職員から、退職日までに残りの年休をすべて取得したいという相談がありました。退職日より後に到来する計画年休は、どのように取り扱ったらよいのでしょうか?
退職する職員から、退職日までに計画年休も含めて残りのすべての年休の請求があった場合、退職後に計画年休として付与することになっている3日分も含め、すべての年休の取得を認めなければなりません。
計画年休とは、年休の付与日数のうち5日を超える部分について、医院が日にちを指定して取得させることができる制度です。
計画年休を導入する場合には、あらかじめ就業規則に規定し、労使協定を締結しなければなりません。
また、年休の付与日数のうち5日については、職員の自由な意思で年休を取得できるようにしておく必要があり、例えば、年休が10日の職員に対しては5日、年休が18日の職員に対しては13日まで、計画的付与の対象とすることができます。
計画年休は、その付与日が労働日であることを前提に付与されるものです。退職日より後は、労働日ではなくなるため、付与日の前に退職することが予定されている職員については、退職日より後の日を付与日とする計画年休の付与はできません。
よって、職員から請求があったときは、たとえ計画年休として付与する日が決まっていたとしても、退職前の任意の時期に計画的付与の対象となっている日数分の年休を取得させる必要があります。
計画年休を導入する際には労使協定の締結が必要ですが、その労使協定では、以下の項目を定めておくことが必要です。
- ① 計画的付与の対象者(または対象から除く者)
- ② 対象となる年休の付与日数
- ③ 計画的付与の具体的な方法
- ④ 年休日数が少ない職員の扱い
- ⑤ 年休付与日を変更することが予想される場合はその手続き
今回のケースでは、上記①の対象から「退職予定者を除く」と定めておけば、判断に困ることはなかったでしょう。
また、上記④についても、例えば新規採用者等で年休が付与されていない職員をどうするのか、という問題が生じます。
年休の付与日に職員を休ませるときに、欠勤扱い(無給)とすることはできないことから、特別有給休暇の付与や、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うなどの対応が求められます。
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