人手不足がさまざまな産業で問題となっています。その対応策として、既存職員の能力向上等により生産性を高める取組があります。ここでは、医療機関等(以下、医療,福祉)が職員に求める能力と、職員が自信のある能力などをみていきます。
厚生労働省の調査結果(※)から、医療,福祉が職員に求める能力やスキルをまとめると、下表のとおりです。
管理職を除く正職員50歳未満、同50歳以上、正職員以外のすべてで、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」が最も高くなりました。2番目に高い能力やスキルもすべて同じで、「職種に特有の実践的スキル」となりました。3番目に高いものは、50歳未満と正職員以外が「コミュニケーション能力・説得力」、50歳以上が「マネジメント能力・リーダーシップ」となっています。
次に上記調査結果から、医療,福祉の職員が自信のある能力やスキルをみてみます。医療,福祉の正職員が自信のある能力やスキルで最も回答が多かったのは、「チームワーク、協調性・周囲との協働力」でした。次いで「コミュニケーション能力・説得力」、「職種に特有の実践的スキル」となりました。なお、正職員以外も正職員とほぼ同じ結果となっています。
この結果をみると、医療,福祉が職員に求める能力と職員が自信のある能力がほぼ同じという結果ですが、医療,福祉が求めるレベルと職員が得意だとするレベルが同じとは限りません。教育訓練を行う場合は、求めるレベルを明確に示し、職員に認識させることが重要です。
なお、職員が向上させたい能力やスキルでは、「マネジメント能力・リーダーシップ」や「ITを使いこなす一般的な知識・能力」、「コミュニケーション能力・説得力」が上位となっています。
貴院における職員の能力開発の参考になれば幸いです。
(※)厚生労働省「令和4年度能力開発基本調査」
常用労働者30人以上を雇用している企業・事業所および調査対象事業所に属している労働者を対象に、2022年10月1日時点の状況について、同年10~12月に行われた調査です。詳細はリンク先ページの令和4年度企業調査と個人調査から確認いただけます。
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