介護職員の処遇改善、新加算と補助金の効果は?
介護従事者の賃上げによる処遇改善のため、現在、介護職員処遇改善支援補助金の交付と、介護報酬改定により新設された介護職員等ベースアップ等支援加算が実施されています。
これらの政策が果たして賃金の向上に繋がったのかどうか、その効果を検証するための調査が行われました。6月16日に開催された厚生労働省の委員会にてその結果報告がありましたので、今回はその内容に注目します。
調査によると、令和4年度に介護職員等ベースアップ等支援加算を取得した事業所は全体の91.3%、同様に、介護職員処遇改善支援補助金を取得した事業所は全体の88.7%でした。
それぞれの政策について、令和3年12月(取得・交付前)と令和4年12月(取得・交付後)の介護職員(月給・常勤の者)の基本給等の金額を比較したものが下表になります。
出典:厚生労働省「第37回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会資料」
介護職員等ベースアップ等支援加算を取得した事業所では10,060円の増加、介護職員処遇改善支援補助金の交付を受けた事業所では9,210円の基本給等の増加が見られました。
中でも、ベースアップ等で賃金改善を実施した事業所がほぼ全体を占めていることも分かりました(下表参照)。
出典:厚生労働省「第37回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会資料」
介護職員以外への配分については、生活相談員・支援相談員と看護職員でそれぞれ45%前後で、最も高い割合になっています。その他の職種では3割前後でした。
出典:厚生労働省「第37回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会資料」
結果報告(案)の詳細は、以下のホームページにてご確認ください。
参考:
厚生労働省「第37回社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」
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