仕事上の過度のストレスは、従業員の定着に影響を与える要因のひとつです。ここでは、2月末に発表された資料(※)から、介護サービスに従事する職員などの仕事上の不安やストレスの状況をみていきます。
上記資料によると、2018年(平成30年)の介護サービス職業従事者及び保健医療サービス職業従事者(以下、介護サービス等従事者)の、仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレス(以下、ストレス)がある割合は、64.4%でした。
また、職種別にストレスの有無をまとめると、表1のとおりです。
調査結果全体(以下、全体)のストレスがある割合は58.0%でした。ストレスがある割合が60%を超えた職種は、介護サービス等従事者を含めたサービス職業従事者と、生産工程従事者だけでした。介護サービス等従事者は、調査対象職種の中でも、ストレスがある割合の高い職種であることがわかる結果となりました。
介護サービス等従事者でストレスがある人のストレスの内容をまとめると、表2のとおりです。
仕事の量・質の割合が最も高く、仕事の失敗、責任の発生等とともに50%を超えています。対人関係も27.6%で3番目に高い状況です。
全体と比べると、上位3つは介護サービス等従事者と同じ順番でした。回答割合の差をみると、仕事の失敗、責任の発生等の差が大きく、全体は34.0%、介護サービス等従事者は53.5%で、20ポイントほど介護サービス等従事者の方が高くなりました。
厚生労働省では、介護サービス向けに業務改善の手順やポイントなどを紹介した資料を作成しています。こうした資料なども活用しながら、職員のストレスを減らせるよう取り組みを行ってはいかがでしょうか。
(※)厚生労働省「平成30年労働安全衛生調査(実態調査)」
常用労働者10人以上を雇用する民営事業所のうちから、産業、事業所規模別に層化して無作為に抽出した約14,000事業所と、その事業所で雇用されている常用労働者及び受け入れた派遣労働者のうちから無作為に抽出した約18,000人を対象に、2018(平成30)年11月に実施された調査です。
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