ここでは今年6月に発表された調査結果(※)から、福祉施設等(以下、医療,福祉)の職員が自信のある能力・スキル(以下、能力等)と向上させたい能力等をみていきます。
調査結果によると、医療,福祉の職員で自信のある能力等がある割合は85.3%でした。能力等ごとに自信のある割合をまとめると、表1のとおりです。
医療,福祉の職員が自信のある能力等をみると、チームワーク、協調性・周囲との協働力が50%を超えました。コミュニケーション能力・説得力や職種に特有の実践的スキル、定型的な事務・業務を効率的にこなすスキルも30%を超えています。
調査結果全体(総数)と比較すると、医療,福祉は職種に特有の実践的スキルやコミュニケーション能力・説得力に自信のある割合が高くなりました。
調査結果によると、医療,福祉の職員で向上させたい能力等がある割合は、92.8%に達しました。能力等ごとに向上させたい割合をまとめると、表2のとおりです。
医療,福祉の職員が向上させたい能力等では、ITを使いこなす一般的な知識・能力の割合が最も高く、コミュニケーション能力・説得力ともに30%を超えました。その他、課題解決スキルやマネジメント能力・リーダーシップ、高度な専門的知識・スキル、職種に特有の実践的スキルが25%を超えています。
総数と比較すると、職種に特有の実践的スキルや高度な専門的知識・スキルを向上させたい割合が高い傾向にあります。
なお、向上させたい能力等で最も割合の高かった、ITを使いこなす一般的な知識や能力は、前年の調査結果では、5番目に高い能力等でした。福祉施設等でも業務効率化等のためのIT化が進展し、こうした能力等を向上させたい人が増えていることがうかがえます。
(※)厚生労働省「令和3年度能力開発基本調査」
2021年(令和3年)10月1日時点の状況について、全国7,064事業所とそこに属している労働者19,728人などを対象にした調査です。ここでの割合は、自信のある能力等がある割合および向上させたい能力がある割合を100とした時の割合になります。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。