福祉施設等を運営する企業が、施設の職員にとって重要だと考えている能力とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは6月に公表された調査結果(※)から、福祉施設等(以下、医療,福祉)の企業が労働者にとって最も重要だと考える能力やスキルをご紹介します。
上記調査結果から、医療,福祉の企業が最も重要と考える能力やスキルを、管理職を除く正社員(50歳未満と50歳以上)と正社員以外の別にまとめると、下表のとおりです。
50歳未満の正社員では、職種に特有の実践的スキルが59.0%で最も高くなりました。チームワーク、協調性・周囲との協働力も50%を超えました。コミュニケーション能力・説得力も3番目に高い状況です。
50歳以上の正社員では、チームワーク、協調性・周囲との協働力の割合が最も高く50.4%となりました。次いで職種に特有の実践的スキル、3番目にはマネジメント能力・リーダーシップが入りました。この年代の正社員には、マネジメント能力やリーダーシップが重要だと考える企業が多いようです。
正社員以外では、チームワーク、協調性・周囲との協働力の割合が74.1%で最も高く、次いで職種に特有の実践的スキルが61.0%、コミュニケーション能力・説得力が43.5%となりました。
いずれの労働者においても、職種に特有の実践的スキルとチームワーク、協調性・周囲との協働力を最も重要と考える割合が高くなりました。コミュニケーション能力・説得力も50歳以上の正社員では4番目に高くなっていることから、これらは年代や労働者の種類に関係なく、医療,福祉においては重要な能力やスキルと考えられているようです。
施設の更なる成長には、こうした能力やスキルを高めることが重要でしょう。
(※)厚生労働省「令和2年度能力開発基本調査」
全国の常用労働者を30人以上雇用している7,392企業などを対象に2020年12月1日時点の状況を調査しています。
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