2024年度診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料」、まもなく開始から1年になります。
外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の届出状況が、厚生労働省の資料の中で公表されています。
■届出受理医療機関割合(2025年3月時点)
医療機関数 | 届出受理数 | 届出受理割合 | |
---|---|---|---|
病院 | 8,042 | 6,969 | 86.0% |
診療所 | 154,715 | 43,066 | 27.8% |
有床診療所 | 5,414 | 2,142 | 39.6% |
医科診療所 | 83,597 | 25,196 | 30.1% |
歯科診療所 | 65,704 | 15,728 | 23.9% |
合計 | 163,018 | 50,035 | 30.7% |
■月別推移
6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
---|---|---|---|---|---|
病院 | 33,458 | 34,411 | 35,187 | 35,881 | 36,487 |
診療所 | 6,375 | 6,547 | 6,630 | 6,707 | 6,786 |
11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
---|---|---|---|---|---|
病院 | 36,959 | 37,312 | 37,913 | 39,497 | 43,066 |
診療所 | 6,826 | 6,862 | 6,928 | 6,951 | 6,969 |
出典:厚生労働省資料より作成
2025年3月時点で、病院で86.0%、診療所で27.8%の届出でした。
厚生労働省は「ベースアップ評価料は、徐々に届出件数が増加しており」と分析していますが、診療所においては、開始当初の昨年6月の届出がほとんどで、それ以降は9%増に止まっています。
届出の煩雑さが指摘されたことから、届出様式の簡素化等が行われていますが、届出・算定の拡大は進んでいない現状がうかがえます。
ところで、すでに2025年3月3日までに届出を行っている医療機関については、今年度分の計画書や、前年分の実績報告書の提出が必要となります。次のような流れとなります。
- 2024年度分(賃金改善開始~2025年3月まで)の「ベースアップ評価料収入」と「賃金改善措置による賃金増加分」を確認
- 2025年6月30日までに、2025年度分の賃金改善計画書を提出
- 2025年8月31日までに、2024年度分の賃金改善実績報告書を提出
ベースアップ評価料(Ⅱ)や入院ベースアップ評価料を届出している場合には、上記とは別に3ヶ月ごとの区分変更の確認が必要ですので、ご注意ください。
[参考]
厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第607回)」
厚生労働省「ベースアップ評価料等について」
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