ベースアップ評価料について、6月18日に公表された疑義解釈(その8)および(その9)にて、新たに3問追加されています。
ここでは(その8)で示された2問に注目します。いずれも疑義解釈その1にて先立って示されていた内容を補足するものです。まずはベースとなる疑義解釈その1の別添2問6について確認します。以下の問になります。
問6 ベースアップ評価料において、賃金の改善については、算定開始月から実施する必要があるか。
(答)原則算定開始月から賃金改善を実施し、算定する月においては実施する必要がある。なお、令和6年4月より賃金の改善を行った保険医療機関又は訪問看護ステーションについては、令和6年4月以降の賃金の改善分についても、当該評価料による賃金改善の実績の対象に含めてよい。
ただし、届出時点において「賃金改善計画書」の作成を行っているものの条例の改正が必要であること等やむを得ない理由により算定開始月からの賃金改善が実施困難な場合は、令和6年12月までに算定開始月まで遡及して賃金改善を実施する場合に限り、算定開始月から賃金改善を実施したものとみなすことができる。
これについて、今回の疑義解釈その8では以下の2点が追加されました。
まず、上記の回答の後段の「条例の改正が必要であること等やむを得ない理由」に関し、「労使交渉を行っているものの、やむを得ず妥結していない場合も含まれるか?」という問です。
回答として、「含まれるが、届出時点において「賃金改善計画書」の提出が必要」とし、労使交渉妥結後に修正した場合には「賃金改善計画書」を含む届出様式一式を速やかに地方厚生(支)局長に再度届け出るよう示されています。
2つ目の問は上記の回答前段部分について、「令和6年7月以降に届出を行った場合も、令和6年4月以降の賃金改善分について、当該評価料による賃金改善の実績の対象に含めてよいか?」というものです。
これについては「令和6年6月から令和7年3月までに算定を開始した場合、令和6年4月以降の賃金改善分について、当該評価料による賃金改善の実績の対象に含めてよい。」との回答が明示されました。
これまでに発出された疑義解釈は、以下よりご確認いただけます。
厚生労働省 事務連絡
- 疑義解釈資料の送付について(その1)
- 疑義解釈資料の送付について(その2)
- 疑義解釈資料の送付について(その3)
- 疑義解釈資料の送付について(その4)
- 疑義解釈資料の送付について(その5)
- 疑義解釈資料の送付について(その6)
- 疑義解釈資料の送付について(その7)
- 疑義解釈資料の送付について(その8)
- 疑義解釈資料の送付について(その9)
[参考]
厚生労働省「令和6年度診療報酬改定について」
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