2024年度の本予算の審議に先立ち、2023年度補正予算が昨年11月末に成立しました。賃上げや人口減少問題への対処、安全・安心の観点から、医療施策も数多く盛り込まれています。医療機関等に関連の深い支援策を確認します。
医療サービスの質の向上、長時間労働対策としての業務効率化、感染症拡大時における医療体制の維持等、さまざまな観点から医療DXが重視されていますが、この推進支援として1,828億円が組み込まれました。処遇改善や昨今の物価高騰に対処する支援策にも、医療・介護等の分野を合わせると1,016億円の予算が充てられています。
医療機関等に直接関連する支援策は、次のとおりです。
■医療DXを推進するための支援策
- マイナ保険証普及のための支援
- ◦ 訪問診療や柔整あはき等へのオンライン資格確認導入支援
- ◦ 顔認証付きカードリーダー増設支援
- 電子処方箋普及のための支援
- ◦ オンライン資格確認システムを導入した医療機関等に、導入費用に関する助成金を支給
- ◦ 院外処方に係るデータの登録・管理と、医療機関等における閲覧のための改修
- ◦ 電子処方箋導入済の医療機関等に、新機能(リフィル処方箋等)の導入費用の補助
- サイバーセキュリティ対策支援
- ◦ 医療機関における外部ネットワークとの接続の安全性の検証・検査、オフライン・バックアップ体制の整備を支援
■処遇改善・物価高騰への支援策
- 看護補助者の処遇改善
- ◦ 看護補助者の賃上げを補助
- 食材料費・光熱費高騰への支援
- ◦ 入院時の食費について、地方医療介護総合確保基金及び診療報酬改定にて、2024年度予算で検討
■防災・減災や災害復旧への支援策
- 医療施設等の耐災害性強化
- ◦ 耐震化にともなう改修・大規模修繕等
- ◦ 非常用自家発電設備の整備、水害対策に伴う改修等、倒壊の危険性のあるブロック塀等の改修等、医療施設等への災害復旧支援(施設整備)
- ◦ 被災施設の早期復旧のための財政支援
詳細は随時決定・発表されます。厚生労働省や都道府県の情報発信にご注目ください。
参考:
厚生労働省「令和5年度厚生労働省補正予算案の概要」
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