2024年は介護報酬改定の年ですが、厚生労働省の社会保障審議会 介護給付費分科会の話し合いの中で、介護職員の処遇改善に係る加算についてが議題に上がっています。
処遇改善加算の一本化と、職場環境等要件等の見直しの両面から検討が進められていますので、今回はその内容を確認したいと思います。
処遇改善加算の一本化について
現行制度では、2012年から続く「介護職員処遇改善加算」、2019年に創設された「介護職員等特定処遇改善加算」、そして2022年から始まった「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3種類の加算があります。これについて、段階を設けた上で一本化することが検討されています。
3つの加算の背景には、基本的な待遇改善やベースアップ等による介護職員の安定的な確保と、資質向上のためのキャリアパス等の取組推進などがあります。一本化にあたっては、これらの考え方を踏襲するとして、次のイメージが提示されています。
職場環境等要件等の見直し
職場環境等要件は、介護職員の処遇改善に係る加算の算定要件の一つです。以下の見直しについて検討されています。
- 多くの事業所が要件(処遇改善加算は24項目中1以上、特定処遇改善加算は区分ごとに1以上)を超えた項目数の職場環境等改善の取組を行っている現状を踏まえ、取り組むべき項目数を増やす
- 現行の特定処遇改善加算の「見える化要件」について、職場環境等要件の各項目ごとの具体的な取組内容の公表を求める旨を明確化
- 年次有給休暇取得促進の取組内容を具体化(上司等からの声かけ・業務の属人化の解消等)
- 研修受講支援の対象に、介護福祉士ファーストステップ研修・ユニットリーダー研修を追加
来年度の介護報酬改定については、年末までに取りまとめが行われます。今回の検討に関する詳細は、以下の会合資料でご確認ください。
参考:
厚生労働省「第230回介護給付費分科会」
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