リフィル処方箋、導入から約1年
リフィル処方箋のスタートから約1年になります。リフィル処方箋の仕組みは、症状が安定している患者に対し、一定期間内に処方せんを反復利用できる処方箋を医師が処方できるようにしたもので、令和4年度の診療報酬改定により創設されました。
今回は、厚生労働省の専門部会における報告を参考に、リフィル処方箋の実施状況に注目します。
この調査は令和4年12月から令和5年1月に実施され、制度創設から最初の3ヶ月(令和4年4月から6月)間におけるリフィル処方箋の発行実績の有無を基準にグループ分けし、結果を分析しています。
概要は以下のとおりです。
■リフィル処方箋の発行有無
「リフィル処方箋の発行実績がある群」のうち「リフィル処方箋を発行したことがある」と回答した割合は病院で32.1%、診療所で72.8%でした。一方で「発行実績がない群」では病院で0.8%、診療所で33.3%に留まっています。
厚生労働省資料「リフィル処方箋の実施状況調査報告書(案)<概要>」p.4
■薬局からの服薬情報提供書(トレーシングレポート)の有無
リフィル処方箋について、薬局が患者から聞き取った情報を医師に報告するトレーシングレポートがあったかどうかの問いに対しては、病院で11.1%、診療所で23.0%が「あった」と回答しました。
厚生労働省資料「リフィル処方箋の実施状況調査報告書(案)<概要>」p.7
リフィル処方に関するトレーシングレポートで提供してほしい情報としては、病院では「患者の服薬状況」が66.7%で最も多く半数を超えたのに対し、診療所では「患者の服薬情報」が21.5%、「患者の状況(バイタル・体重・食欲・浮腫の有無・便秘の有無等)」が17.9%、「患者に対する服薬指導の要点」が10.7%と回答が分散しました。
ここでは医療機関に対する調査結果報告についてをご紹介しましたが、他に薬局や患者に対する調査結果も報告されています。詳細は以下の報告書(案)にてご確認ください。
参考:
厚生労働省資料「令和4年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査(令和4年度調査)の報告書案について」
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