高齢者虐待件数、令和3年度は施設で再び増加
厚生労働省より、高齢者虐待に関する対応状況などについて、令和3年度の調査結果が公表されました。
この調査は、高齢者虐待防止法(平成18年4月施行)に基づき、全国の市町村や都道府県を対象に、高齢者に対する虐待への対応状況をまとめたもので、平成19年度から毎年度実施されています。
令和3年度の市町村への高齢者虐待の相談・通報件数は、養介護施設従事者によるものが2,390件(前年度より293件、14.0%増加)、養護者によるものは36,378件(同604件、1.7%増加)でした。うち、高齢者虐待であると判断された件数は、養介護施設従事者等によるものが739件(同144件、24.2%増加)、養護者によるものは16,426件(同855件、4.9%減少)です。
推移をまとめると、下グラフのようになります。養介護施設従事者等によるものは、相談・通報件数も虐待判断件数も、調査開始以降おおむね増加傾向です。養介護施設従事者等によるものは前年度調査では減少に転じましたが、再び増加となりました。養護者によるものは相談・通報件数は増加したものの、虐待と判断された件数は減少しています。
出典:厚生労働省「令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果」p.2
また、入所系施設における虐待について、認知症の程度や要介護度と虐待の種別の関係をまとめたものが、次のグラフになります。
出典:厚生労働省「令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果」p.4
出典:厚生労働省「令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果」p.5
同調査では、ここでご紹介したほかにも、施設の種別、相談者・通報者の内訳、虐待者の状況などの結果が掲載されています。詳細は以下のホームページにてご確認ください。
参考:
厚生労働省「令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果」
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