次期医療費適正化計画に向け、新たな目標案を提示
2024年度から始まる国の医療費適正化計画の策定に向けて、厚生労働省から計画・目標の見直し案が専門部会に提示されました。
次期計画は、2024年度から2029年度を期間とする第4期医療費適正化計画となります。今年度内に国が見直し案を取りまとめ、これをもとに各都道府県が来年度(2023年度)にそれぞれの計画策定作業を行い、2024年度から開始される予定です。
その見直し案が、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会にて示されました。
出典:厚生労働省 社会保障審議会医療保険部会 資料
「医療費適正化計画の見直しについて」
医療・介護需要を見据えた、より効果的・効率的な医療費適正化の推進
- 医療・介護の機能連携を通じた効果的・効率的なサービス提供を新たに目標とする。例えば、今後の高齢化の進展に伴い増加が見込まれる高齢者の骨折について、急性期から回復期、在宅での介護や通院時の医療・介護の機能連携や適切な受診勧奨等を推進する。
- 高齢者の心身機能の低下に起因した疾病予防・介護予防の取組を新たに目標とし、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について、医療費適正化計画に位置づける。
個別の医療サービスについては、エビデンスや地域差に基づいた目標設定
- 新たに以下の項目を目標として位置づけ、有識者の検討を踏まえて具体的なメニューをさらに追加する。
- 効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療(例:急性気道感染症・急性下痢症に対する抗菌薬処方)
- 医療資源の投入量に地域差がある医療(例:白内障手術や化学療法の外来での実施、リフィル処方箋)
なお、リフィル処方箋については、地域差の実態等を確認した上で必要な取組を進める。
デジタル活用等の推進
- 特定健診・特定保健指導について、個人の受診者の行動変容につながり、成果が出たことを評価する方向(アウトカム評価の導入、ICTを活用した取組など)で見直す。
- 重複投薬・多剤投与の適正化について、電子処方箋の活用等によりさらに効果的に実施する。
- 後発医薬品の使用促進について、使用促進効果が確認されている個別通知や、医薬品の適正使用の効果も期待されるフォーミュラリ等の取組を推進する。また、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の議論や、バイオ後発品の目標設定を踏まえ、後発医薬品の使用促進に関する新たな数値目標を設定する。
また、現行の目標についても、どういった点をさらに推進すべきかについてまとめられています。資料の全文は、以下のサイトでご確認ください。
参考:
厚生労働省「第158回社会保障審議会医療保険部会」
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