複合型サービス類型の新設を提案/介護保険部会
今回は、国が今後の介護保険制度についてどのような方針を持っているかを知るため、厚生労働省の専門部会に厚生労働省が提示した内容に注目します。
厚生労働省資料「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について」
この資料は、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会に厚生労働省が示したもので、これを土台に、年内の取りまとめに向けて議論が行われています。
この中で、新しい複合型サービス類型の創設や、特養の空床の分析と要介護1・2の特例入所の運用について、次のように取り上げられています。
(在宅サービスの基盤整備)
- 特に都市部における居宅要介護者の様々な介護ニーズに柔軟に対応できるよう、複数の在宅サービス(訪問や通所)を組み合わせて提供する複合型サービスの類型などを設けることも検討してはどうか。
- また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護など、機能が類似・重複しているサービスについては、将来的な統合・整理に向けて検討してはどうか。
(施設入所者への医療提供)
- 特別養護老人ホームにおける医療ニーズへの適切な対応のあり方について、配置医師の実態等も踏まえつつ、引き続き、診療報酬や介護報酬上の取扱いも含めて、検討を進めてはどうか。
(施設サービス等の基盤整備)
- 特別養護老人ホームの入所申込者数については、足元の状況をみると、全体としては減少傾向がみられ、地域によっては、高齢者人口の減少のために空床が生じている場合や、人手不足により空床とせざるを得ない場合等もあるとの意見がある。その中で、要介護1・2の高齢者は、やむを得ない事情により在宅生活が困難な場合に特例的に入所可能としているが、その運用については、地域によってばらつきがあるとの意見もある。
こうした状況や、特別養護老人ホームが在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点化されている趣旨等を踏まえ、空床が生じている原因を分析するとともに、特例入所について、現在実施している老健事業等により早急に実態を把握の上、改めて趣旨の明確化を図るなど、適切な運用を図ることとしてはどうか。
このほかにも数多くの論点が示されています。詳細は、上記資料及び以下のホームページにてご確認ください。
参考:
厚生労働省「第101回社会保障審議会介護保険部会」
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