規模に関係なく省エネ基準を適用する改正法、今国会で成立
建築物省エネ法の改正法が、6月13日に参議院本会議で可決、成立しました。
この改正により、省エネ基準(※)が2025年よりすべての住宅・非住宅の建築物に適用されるようになります。
(※)省エネ基準には、建築物で使う冷暖房、換気、給湯、照明、昇降機のエネルギー消費に関する基準があります。
現行法では、この省エネ基準は一定規模以上の建物にのみ適合が義務付けられています。
病院・診療所や福祉施設を含む非住宅の建築物においては、中規模以上(300㎡以上)の場合に適合義務があります。300㎡以上の建築物は、建築確認(省エネ適判)や完了検査において、省エネ基準への適合等の審査を受ける必要があり、基準に適合しない場合や必要な手続きや書面整備を怠った場合には、確認済証や検査管理済証が発行されません。
一方で、300㎡未満の小規模建築物の新築・増改築については適合義務・届出義務はなく、業者が施主に省エネ基準について説明する義務と、施主が同基準に適合する努力義務が定められています。
改正後は、これら300㎡未満の小規模建築物にも適用が拡大され、新築・増改築の際は同基準に適合する義務を負います。
出典:国土交通省「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」
改正案の提出に先立って今年初めに国土交通省が実施したパブリックコメントでは、多くの意見が寄せられたことからも、この改正への関心度の高さがうかがえます。改正は医療施設・福祉施設等に限らず広く一般的に適用されるものですが、今後新築等を予定されている場合には建築方針などにも大きく影響する内容です。
今回の改正内容は、国土交通省による以下の報道発表にて概要をご覧いただけます。
参考:
国土交通省 報道発表資料(令和4年4月22日)
「「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律案」を閣議決定」
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