医療機関を利用する高齢者がどのようなことに困っているか、ご存じでしょうか。ここでは、今年4月に発表された調査結果(※)から、高齢者が医療サービスを利用するにあたって困っていることをみていきます。
調査結果から、高齢者が医療サービスを利用するにあたって困っていることの結果をみると、男女とも、「特に困っていることはない」が最も高くなりました。男性が56.7%、女性で58.8%です。ただしその割合は、男女ともに年代が上がるにつれて低下しています。加齢により困ることが増えてくることがわかります。
高齢男性の困っていることをまとめると表1のとおりです。
男性全体の困っていることの中で、割合が最も高いのは、「診察に時間がかかりすぎる」で21.8%となりました。次いで「費用がかかりすぎる」が15.7%、「医療機関が近くにない」が6.7%でした。男性は年代別でみても、これらの割合が高くなりました。
次に、高齢女性の困っていることをまとめると表2のとおりです。
女性全体の困っていることでは、男性と同様に「診察に時間がかかりすぎる」の割合が最も高く、18.1%となりました。次いで「医療機関が近くにない」が9.8%、「費用がかかりすぎる」が9.5%でした。年代別では、75~84歳で「医療機関が近くにない」が2番目になりました。
男性と女性の比較では、男性の方が費用に困る割合が高く、女性の方が医療機関までの距離や交通手段に困る方が多い状況です。貴院における高齢患者への対応方法などの参考になりましたら幸いです。
(※)内閣府「令和4年高齢者の健康に関する調査結果(全体版)」
全国の65歳以上の男女4,000人に対して2022年10~11月に行われた調査です。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。