ここでは、医療機関等における従業員の移動状況について、昨年12月に公表されたデータ(※)から、2019年の入職率と離職率(常用労働者数に対する入(離)職者数の割合)をみていきます。
上記データから、2019年の医療機関等(以下、医療,福祉)の入・離職率を都道府県別にまとめると、下表のとおりです。
全国の入職率は16.2%、離職率は14.4%です。入職超過率(入職率から離職率を引いたもの)は1.8ポイントとなり、入職超過の状況にあります。なお2018年も0.7ポイントの入職超過だったことから、医療,福祉では入職超過の状況が続いています。
都道府県別の入職率をみると、香川県が57.9%で最も高く、次いで福岡県が34.4%となりました。その他、青森県、岐阜県、長崎県、広島県、三重県、愛知県、山梨県、千葉県も20%を超える状況です。離職率は長崎県が29.2%で最も高くなりました。次いで三重県が27.8%、広島県が26.0%となったほか、香川県、栃木県、沖縄県、奈良県、青森県も20%を超えています。
入職超過率については、24道府県が入職超過になりました。中でも香川県が34.2ポイント、福岡県が22.6ポイントと大幅な入職超過の状況にあります。一方、離職超過の状況にあるのは23都府県で、中でも鳥取県がマイナス12.3ポイントと最も高くなっています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医療機関を取り巻く環境は厳しさを増しています。2020年以降の結果は、どのようになっているでしょうか。
(※)厚生労働省「2019年(令和元年)雇用動向調査」
5人以上の常用労働者を雇用する事業所から抽出した、約15,000事業所を対象にした調査です。入(離)職率の算式は次のとおりです。
入(離)職率 = 入(離)職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100(%)
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