医療機関を受診する際、患者が通院にかけることのできる時間はどのくらいまでなのか、ご存じですか。ここでは2020年10月に厚生労働省より発表された調査結果(※)から、通院にかけることのできる時間に関するデータをご紹介します。
上記調査結果から、片道の通院にかけることのできる最大時間を、本人と家族に分けて受診する医療機関ごとにまとめると、下表のとおりです。
日常的にかかる診療所では、本人、家族ともに30分未満が80%を超えました。30分~1時間以内も加えると、本人、家族ともに95%を超えています。通院頻度が高くなると、通院時間も短い方がよいと考える割合が高いようです。
手術・検査などを受ける大きな病院では、本人、家族ともに30分未満の割合が日常的にかかる診療所の半分程度に減り、40%台になりました。30分~1時間以内とする割合は、本人が44.5%、家族は42.4%です。本人は30分~1時間以内、家族は30分未満の割合が最も高くなりました。
入院する病院、入所する福祉施設は、本人の49.7%、家族の54.6%が30分未満と回答しています。手術・検査などを受ける大きな病院よりも、30分以内とする割合が高い状況です。
手術や検査などを受ける大きな病院と、入院する病院の場合、本人よりも家族の方が30分以内とする割合が高いのは、付き添いが関係していることも考えられます。
通院する目的によっては、医療機関が限定されることもありますが、通院時間は片道最大1時間以内とする人が8割を超える結果になりました。
自院の来院傾向と比較してみてはいかがでしょうか。
(※)厚生労働省「人口減少社会における医療・福祉の利用に関する意識調査」
18歳以上の男女3,000人を対象に、2019年12月6日~12月13日に行われた調査です。
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