3月~7月期の新型コロナウイルス感染症の影響/診療科別レセプト点数
令和2年は新型コロナウイルス感染症に大きく左右された年となりました。特に4月・5月は多くの医療機関が受診者数の激減を経験し、経営維持のためのさまざまな施策も実施されています。
この影響の度合いが数値的に把握できる統計結果と分析が、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会で公表されています。
この中から今回は、医科診療所の診療科別での収入の変化について、レセプト点数の前年同月比に注目したいと思います。
■ 医科診療所の診療科別レセプト点数(前年同月比)
このグラフは、新型コロナウイルス感染症による医療機関の収入の変化をみるために、医科診療所の主たる診療科別にレセプト点数を前年同月と比較したものです。
このレセプト点数は、社会保険診療報酬支払基金ホームページの統計月報による点数を基に、厚生労働省で前年同月比を機械的に算出したもので、再審査等の調整前の数値です。
3月から7月までの5か月間について毎月比較していますが、最も減少幅が大きい月は、どの診療科においても4月か5月かのいずれかの月のようです。
とりわけ小児科や耳鼻咽喉科の減少幅が大きく、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったことがうかがえます。
また、診療科によっては100%前後まで回復していますが、小児科や耳鼻咽喉科については、7月にあっても8割にも満たないレセプト点数となっており、前年同月までの回復にはまだ時間がかかりそうです。
詳細データは、以下のサイトで公開されています。
厚生労働省「第131回社会保障審議会医療保険部会(ペーパレス) 資料」
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