介護保険法の改正により、この4月から、経営情報を都道府県知事に報告することが介護サービス事業者の義務となります。これに伴う改正省令が、1月25日に公布されました。対象や報告項目などの詳細について確認します。
改正介護保険法(2024年4月1日施行)により、毎会計年度終了後に経営情報を都道府県知事に報告することが、原則すべての介護サービス事業者の義務となります。
社会福祉法人、障害福祉サービス事業所についてはすでに財務状況の公表が実施されており、また、昨年8月からは医療法人においても同様の報告が義務化されました。今回の法改正で介護サービス事業者にもこの報告の対象が拡大されることになります。
- 事業所・施設の名称、所在地その他の基本情報
- 事業所・施設の収益及び費用の内容
- 事業所・施設の職員の職種別人員数その他の人員に関する事項
- その他必要な事項
報告期間は毎会計年度終了後3ヶ月以内です。初回についてはこの期間ではなく、2025年3月31日までとする措置が、附則にて定められました。
なお、事業所・施設のすべてが以下のいずれかに当てはまる介護サービス事業者の場合は、上記の報告義務は課されません。
- その会計年度に提供を行った介護サービスの対価として支払いを受けた金額が100万円以下の者
- 災害その他都道府県知事に対し報告を行うことができないことにつき正当な理由がある者
あわせて、介護サービス情報公開制度の公表事項に、「事業所等の財務状況」が追加されています。その内容として、障害福祉サービス事業所等での報告事項を踏まえ、事業活動計算書(損益計算書)、資金収支計算書(キャッシュフロー計算書)、貸借対照表(バランスシート)を公表の対象とする旨が、厚生労働省の介護保険部会で示されています。
報告事項や公表内容等の詳細は、今後の通知等により明示されるものと思われます。厚生労働省のホームページや官報等で最新情報をご確認ください。
[参考]
官報「令和6年1月25日 号外第18号」
厚生労働省「社会保障審議会 介護保険部会 資料」
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