今回は、内閣府が昨年10月に公表した「がん対策に関する世論調査」の結果から、がん検診の受診状況に注目したいと思います。
同調査は、全国18歳以上の日本国籍を有する者3,000人を対象に、2023年7月から8月にかけて実施されたもので、1,626人の有効回答が集まりました。ここでは2019年に実施された前回調査と比較して、今回の結果を確認します。
問 あなたは、ここ1~2年くらいの間に、がん検診を受けたことがありますか?
「2年以内に受診した」と回答したのは42.7%(「1年以内に受診した32.8%」+「2年以内に受診した9.9%」)でした。前回調査では57.0%(「1年以内に受診した47.5%」+「2年以内に受診した9.5%」)に比べると、15%近くの減となっています。前回調査は2019年で新型コロナ感染拡大前で、このときは前々回調査より5%弱の増加となっていました。これらの推移からも、コロナによる受診控えの影響が今も続いていることがうかがえます。
年齢層別の結果は下グラフになります。40代、50代の受診率が高いことから、職場での定期健康診断による受診率が高いことが推測できます。
問 ここ1~2年くらいの間に、または、これまでがん検診を受診していない理由は何ですか?(複数回答可)
最も多い回答は、「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」の23.9%でした。次いで「費用がかかり経済的にも負担になるから」23.2%。「受ける時間がないから」21.2%となっています。
性別では、男性は「費用がかかり経済的にも負担になるから」が最も多く26.9%、女性は「心配なときはいつでも医療機関を受診できるから」の27.3%が第一位となりました。
その他、がんの治療法や病院の情報源、がん医療について、がん患者と社会とのつながりについて等の調査結果についてもまとめられています。詳細は、以下のサイトでご確認ください。
参考:
内閣府「がん対策に関する世論調査(令和5年7月調査)」
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