8月に今年の中小企業の賃金改定に関する調査結果(※)が発表されました。ここではその結果から、医療機関等(以下、医療,福祉)の賃金改定状況をみていきます。
調査結果から、今年1~6月に賃金を引き上げた医療,福祉の事業所割合をまとめると、表1のとおりです。
2023年は62.3%が賃金引き上げを実施しました。前年より0.9ポイントの減少ですが、産業計より約20ポイント高い状況です。
なお、医療,福祉で1~6月に賃金引き下げを実施した割合は0.3%、7月以降も賃金改定を実施しない割合は21.4%、7月以降に賃金改定を実施する予定の割合は16.0%でした。
次に賃金引き上げを実施した事業所における賃金改定率をまとめると、表2のとおりです。
医療,福祉の2023年の賃金改定率は3.5%で、前年より0.4ポイント増加しました。ただし産業計より低い状況です。
一般労働者の6月の1時間当たり賃金額と賃金上昇率をまとめると表3のとおりです。
2023年の1時間当たり賃金額は1,534円で、前年より27円の増加です。賃金上昇率は1.8%で、前年より0.5ポイントの減少です。
パート労働者の6月の1時間当たり賃金額と賃金上昇率をまとめると、表4のとおりです。
2023年の1時間当たり賃金額は1,323円で、前年より25円の増加、産業計よりも高い状況です。賃金上昇率は1.9%で前年より0.3ポイント増加しました。
貴院の状況はこの結果と比べてどうだったでしょうか。
(※)厚生労働省「令和5年賃金改定状況調査結果」
全国の民営事業所のうち、常用労働者数が30人未満の企業に属し、1年以上継続して事業を営んでいる事業所を対象にした、2023年(令和5年)6月分の賃金についての調査結果です。
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