5月8日から「コロナ患者お断り」は認められず
5月8日より、新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが、5類感染症に移行されました。
これに伴うさまざまな制度上の対応について、首相官邸や厚生労働省から発信されています。
中でも医療体制の移行については、3月17日発出の事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」で示されています。この事務連絡は発出後も事情にあわせてたびたび改訂されており、当記事執筆時点では4月20日を最終改正とする以下の文書が、厚生労働省のホームページで閲覧できます。
厚生労働省事務連絡
「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う医療提供体制の移行及び公費支援の具体的内容について」
これまでコロナ患者の受け入れを手掛けてきた医療機関や薬局にとって大きな変化であることはいうまでもありませんが、それ以外の医療機関においても、5月8日以降は対応の変更が必要となる箇所があります。
その一つが、応招義務についてです。上記事務連絡のp.9に、以下が記載されています。
応招義務の整理
- 新型コロナウイルス感染症に係る医師等の応招義務については、緊急対応が必要であるか否かなど、個々の事情を総合的に勘案する必要がある。
- その上で、特定の感染症へのり患等のみを理由とした診療の拒否は、応招義務を定めた医師法(昭和23年法律第201号)第19条第1項及び歯科医師法(昭和23年法律第202号)第19条第1項における診療を拒否する「正当な事由」に該当しないが、現在、新型コロナウイルス感染症は、2類感染症と同様、制度上特定の医療機関で対応すべきとされていることから、その例外とされている。位置づけ変更後は、制度上幅広い医療機関において対応できる体制に移行することから、「正当な事由」に該当しない取扱いに変わることとなる。
- 具体的には、位置づけ変更後は、患者が発熱や上気道症状を有している又はコロナにり患している若しくはその疑いがあるということのみを理由とした診療の拒否は「正当な事由」に該当しないため、発熱等の症状を有する患者を受け入れるための適切な準備を行うこととし、それでもなお診療が困難な場合には、少なくとも診療可能な医療機関への受診を適切に勧奨すること。
つまり、5月8日以降、コロナや発熱のみを理由とした診療拒否は応招義務違反となり、認められないこととなります。これまで「コロナ外来は行っておりません」「発熱のある方はお断りしております」などの対応を行っていた医療機関等は、5月8日以降、これらの理由のみで拒むことができません。
なお、今回ご案内した事務連絡を含め、5類感染症以降に伴う通知等が数多く発出されており、たびたび変更も行われていますので、引き続きご留意ください。最新の内容は、以下の厚生労働省のホームページでご確認いただけます。
参考:
厚生労働省「自治体・医療機関向けの情報一覧(事務連絡等)(新型コロナウイルス感染症)2023年」
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