救急活動におけるマイナンバーカード利用の取組
4月からオンライン資格確認が原則義務化されることに伴い、医療現場でのマイナンバーカードの利活用の取組も加速しています。
1月23日に総務省消防庁が公開した「令和4年版消防白書」も、救急業務におけるマイナンバーカードの活用について取り上げています。
オンライン資格確認等システムを救急現場でも活用することにより、救急隊員が救急業務に資する傷病者の医療情報等を、正確かつ早期に把握し、傷病者の搬送に活かしたいとして、すでに検討が始まっており、期待される効果として、以下のように言及しています。
現状の救急活動においては、救急隊が傷病者の搬送先医療機関の選定等に必要な情報を傷病者本人又は家族等の関係者から直接聴取している。
付近に関係者がいない場合では、症状に苦しむ本人から聴取する必要があるほか、複数の基礎疾患を有する高齢者の救急事案等の場合では、本人が病歴や受診した医療機関名を失念していることや、関係者が傷病者の情報を把握していないことも想定される。
そのような状況下において、タブレット等の資格確認端末に接続されたカードリーダーに、傷病者の保有する健康保険証利用登録済みのマイナンバーカードをかざし、ICチップ内の電子証明書を読み取ることで、ネットワークを介してオンライン資格確認等システムへ情報照会し、受診医療機関や薬剤情報等の傷病者の救急業務に資する情報を正確かつ早期に把握することができれば、傷病者への負担を軽減しつつ、傷病者の搬送先医療機関の選定が行いやすくなることや、より適切な応急処置を可能とすることなど、救急業務の迅速化・円滑化につながることが期待される。
出典:消防庁「令和4年版消防白書」p.35
消防庁は、今年度内に上記取組の検討について報告書を取りまとめる予定で、マイナンバーカードを使った救急業務のデジタル化を全国展開する方針です。
参考:
総務省消防庁「「令和4年版消防白書」の公表(令和5年1月23日)」
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。