かかりつけ医機能の制度整備への論点/全世代型社会保障構築会議
11月11日に開催された内閣官房の全世代型社会保障構築会議にて、かかりつけ医機能について取り上げられています。
今後、医療・介護需要が伸びていく中、限られた医療資源について役割分担を徹底させるため、かかりつけ医機能を強化するための制度整備は不可避として、以下の論点が提起されました。
- まず、かかりつけ医機能の定義について議論があるが、現行の医療法施行規則では「身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能」とされており、これをベースに検討することが考えられるのではないか。
- こうした機能の一つとして、日常的に高い頻度で発生する疾患・症状について幅広く対応し、オンライン資格確認も活用して患者の情報を一元的に把握し、日常的な医学管理や健康管理の相談を総合的・継続的に行うことが考えられるのではないか。
- そのほか、例えば、休日・夜間の対応、他の医療機関への紹介・逆紹介、在宅医療、介護施設との連携などが考えられるのではないか。
- これらの機能については、複数の医療機関が緊密に連携して実施することも考えられるのではないか。その際、地域医療連携推進法人の活用も考えられるのではないか。
- かかりつけ医機能の活用については、医療機関、患者それぞれの手上げ方式とすべきではないか。そのため、医療機関は自らが有するかかりつけ医機能について、住民に情報提供を行うとともに、自治体がその機能を把握できるようにする仕組みが考えられる。また、必要に応じ、患者の了解を前提に、医療機関が患者の状態を把握し、総合的・継続的な診療・相談に応じる旨を分かりやすく示すこととしてはどうか。
- 特に高齢者については、幅広い診療・相談に加え、在宅医療、介護との連携に対するニーズが高いことから、これらの機能をあわせもつ医療機関を自治体が把握できるようにすることが考えられるのではないか。
- かかりつけ医機能を持つ医療機関を患者が的確に認識できるような仕組みが必要ではないか。
- 地域全体で必要な医療が必要なときに提供できる体制が構築できるよう、自治体が把握した情報に基づいて、地域の関係者が、その地域のかかりつけ医機能に対する改善点を協議する仕組みを導入してはどうか。
その他の論点などの報告内容は、以下の資料でご覧いただけます。
全世代型社会保障構築会議資料「医療提供体制に関する議論の状況について」
参考:
内閣官房「全世代型社会保障構築会議(第8回)」(令和4年11月11日開催)
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