新型コロナウイルスの感染拡大は、福祉施設等の経営に大きな影響を与えています。こうした中で、夏季賞与の支給時期を迎えます。ここでは厚生労働省の調査結果(※)から、事業所規模5~29人の福祉関連業種における、夏季賞与支給労働者1人平均支給額(以下、1人平均支給額)等の推移をみていきます。
福祉関連の業種別に1人平均支給額等の推移をまとめると、下表のとおりです。
2019年の結果では1人平均支給額は、児童福祉事業と障害者福祉事業が2018年に比べて減少しました。児童福祉事業は3年連続、障害者福祉事業は2年連続の減少です。老人福祉・介護事業は2年ぶりに増加しました。金額では児童福祉事業が最も高い状況です。
2019年のきまって支給する給与に対する支給割合は、児童福祉事業は1ヶ月分以上に、老人福祉・介護事業と障害者福祉事業は1ヶ月分未満になりました。
児童福祉事業は2018年を除き1ヶ月分程度の割合になっています。老人福祉・介護事業は1ヶ月分未満の状態が続いています。障害者福祉事業は2018年までは1ヶ月分以上の割合が続いていました。
新型コロナウイルスの感染状況が地域によって異なるため、今年の夏季賞与支給は例年とは異なる状況になることが予想されます。
(※)厚生労働省「毎月勤労統計調査」
日本標準産業分類に基づく16大産業に属する、常用労働者5人以上の約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象にした調査です。きまって支給する給与に対する支給割合は、賞与を支給した事業所ごとに算出した「きまって支給する給与」に対する「賞与」の割合(支給月数)の1事業所当たりの平均です。支給労働者数割合は、常用労働者総数に対する賞与を支給した事業所の全常用労働者数(当該事業所で賞与の支給を受けていない労働者も含む)の割合です。支給事業所数割合とは、事業所総数に対する賞与を支給した事業所数の割合です。
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