新型コロナウイルスの感染拡大は、医療機関の経営にさまざまな影響を与えています。こうした中で、夏季賞与の支給時期を迎えます。ここでは厚生労働省の調査結果(※)から、直近5年間の、病院と一般診療所における夏季賞与支給労働者1人平均支給額(以下、1人平均支給額)などの推移をみていきます。
上記資料から病院と一般診療所の夏季賞与1人平均支給額などの推移を、事業所規模別にまとめると下表のとおりです。
病院の1人平均支給額は、5~29人で2018年以降は減少が続き2019年には10万円を割り込みました。30~99人は2018年に30万円を超えました。2019年は若干減少したものの30万円台を維持しています。
きまって支給する給与に対する支給割合は、5~29人は2019年に0.5ヶ月を下回りましたが、30~99人は1ヶ月分を超えました。
一般診療所の1人平均支給額は、5~29人で2018年から減少が続き、2019年は15万円台と、直近5年間では最も低い額になりました。逆に30~99人は2018年から増加に転じ、2019年には22万円台になっています。
きまって支給する給与に対する支給割合は、5~29人と30~99人のどちらも1ヶ月分を下回る状況が続いています。
今年の夏季賞与は、地域や診療科によって支給状況が大きく異なることが予想されます。
(※)厚生労働省「毎月勤労統計調査」
日本標準産業分類に基づく16大産業に属する、常用労働者5人以上の約190万事業所から抽出した約33,000事業所を対象にした調査です。きまって支給する給与に対する支給割合は、賞与を支給した事業所ごとに算出した「きまって支給する給与」に対する「賞与」の割合(支給月数)の1事業所当たりの平均です。支給労働者数割合は、常用労働者総数に対する賞与を支給した事業所の全常用労働者数(当該事業所で賞与の支給を受けていない労働者も含む)の割合です。支給事業所数割合とは、事業所総数に対する賞与を支給した事業所数の割合です。
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